専門知識の勉強は難しい。研究に使うとなると、さらに専門性が求められたり実用性が求められたりします。その前段階となる学部の講義を受けているときは、教えるのが決してうまいわけではない先生から、何のために専門的な教養を学んでいるのか正直よくわかっていませんでした。高校までとは違って、教科書や参考書は広く深く書かれているし、書かれていないベースの知識が要求されることもあるので、何が本質的に大事なのかすらわかりませんでした。
ここでは、専門知識の勉強に役立つ、教科書や参考書ではなく便利なリンクをまとめます。良くも悪くも正確に書かれている教科書よりも助けられる要素が多いと感じます。そもそも、専門の教科書はコンセプトを理解して辞書的に使うものじゃないかという話を理解するきっかけになりました。
バイオ系
バイオ系では、一覧としてまとめられていない、もしくは探すのに労力を要する基礎知識を得るため、新しい知見を日本語で手っ取り早く知るために役立つサイトをまとめます。プロトコルなどは実験機器や試薬のメーカーのサイトが信憑性が高いでしょう。
ライフサイエンス辞書
ライフサイエンスに特化した和英・英和電子辞書。専門用語も的確に訳されるので、論文を読んだり書いたりするときに必ず使っています。用法のまとめやコーパスの機能も充実していて、大変使いやすいです。LSDプロジェクトという組織が常に開発を続けてくださっているようです。
ライフサイエンス 新着論文レビュー First Author’s
ライフサイエンス 領域融合レビュー Leading Authors
前者は「Nature,Science,Cell などに代表されるトップジャーナルに掲載された日本人を著者とする生命科学分野の論文について,論文の著者自身の執筆による,専門分野の異なる生命科学研究者にむけた日本語によるレビューを,だれでも自由に閲覧・利用できるようWeb上にていち早く無料で公開する」メディアで、後者は「生命科学において注目される分野・学問領域について,第一線の研究者の執筆による,専門分野の異なる生命科学研究者にむけた日本語によるレビューを,だれでも自由に閲覧・利用できるようWeb上にて無料で公開する」メディアです。すばらしいコンセプトで内容も充実していたのですが、非常に残念なことに2019年1月末に更新は終了してしまっています。
書籍で似たようなコンセプトをもっているものだと、『実験医学』『細胞工学』『蛋白質 核酸 酵素』などが有名ですね。後者2つはすでに廃刊となってしまっているのが惜しいです。
統合TV
バイオ分野の研究に役立つリソースを動画で紹介しているサイト。画像解析やマイクロアレイ解析などの、データサイエンスにも関わる部分について特にわかりやすくて参考になる印象です。
痛みと鎮痛の基礎知識
あるときに遺伝子導入についていて調べていて見つけたサイト。そのとき見つけたのは下記のページでしたが、トップページからはなぜかリンクが見つからないので、ここに紹介しておきます。
http://plaza.umin.ac.jp/~beehappy/analgesia/nr-transgenesis.html
タイトルからは痛みについてのサイトに思えますが、バイオ系共通の基礎知識が非常に簡潔にわかりやすくまとめられているサイト。トップページはやや見にくいですが、左側に配置されたリンク先に膨大な内容がまとめられています。
物理系
機械系の学部で習う科目は、力学を中心とした物理と、それらを記述するための数学です。僕は、学部の講義を受けても結局よくわからないまま今に至りますが、それぞれの学問のコンセプトは理解したつもりです。一から十まで理解することよりも、物理のキモを知ろうとすることが必要なのかもしれません。数学の場合は、ツールとして使うところから理解が深まるのかもしれません。優秀でない学生の戯言に過ぎませんが、素直な感想です。
EMANの物理学
物理がわからない僕にとって、物理のコンセプトを知るための一番の救いとなったサイトです。EMANさんがひとり言として書かれている「自分が大学生の時、やる気はあったけど、授業が全然わからなかった。 大学の先生というのは、生徒を過剰評価してくれている。生徒がどれだけ単純なことでつまづいているのか分かってくれていないようだ。大学を卒業する頃、自分がそれまでの必死の努力の末、ようやく理解した内容を振り返ってみるに、 誰かが分かり易く教えてくれさえすれば半年で習得できた事じゃないか、と感じた。 自分の4年間はあれは何だったのか、と挫折感を味わったものだ。」という内容にいたく共感しています。いわゆる名著と言われる教科書や、順序立って説明が進む講義でわからないと感じたときに、読んでみてください。
数学:物理を学び楽しむために
学習院大学の田崎晴明先生による物理数学の教科書。「主として物理学(とそれに関連する分野)を学ぶ方を対象にした、大学レベルの数学の入門的な教科書である。 高校数学の知識を前提にして、大学生が学ぶべき数学をじっくりと解説する」と説明されています。このレベルの教科書が無料公開されていることも驚きですが、何より非常にわかりやすいです。脚注が充実しているのも好きなポイントです。
『新装版 これならわかる工学部で学ぶ数学』(千葉逸人)
http://www.pleiades-publishing.co.jp/genre/sugaku.html
『物理数学の直観的方法』(長沼伸一郎)
https://gendai.ismedia.jp/list/books/bluebacks/9784062577380
ウェブサイトではなく書籍なので、控えめに紹介します。どちらも有名ですが、平易に書かれていて物理数学の理解を助けてくれました。このような書籍に出会っていなければ、間違いなく、コンセプトの理解も、単位の取得すらできていなかったでしょう。